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レシピ:VisiboxでStage Traxxに映像を加える

Stage TraxxのロゴとVisiboxのロゴ

Stage TraxxとVisiboxを組み合わせると、DJとVJの両方がライブパフォーマンスをバックアップしてくれるようなものです。しかも、ギャラを払うメンバーは増えません。iPadで動くStage Traxxは、マルチトラックオーディオ、バッキングトラック、ビートをまとめて引き受け、セットリストの管理や曲の流れのコントロールをとても簡単にしてくれます。そしてVisiboxは、欲しいビジュアルエフェクトをすべて加え、動画、画像、ライブカメラの入力を音楽とぴったり同期させます。

パフォーマンスにとってまさに理想の組み合わせで、一流のマルチトラックサウンドと、柔軟で目を引く映像ショーの両方を届けられます。ソロでもバンドでも、このコンビなら、パフォーマンスが耳だけでなく目にも焼き付き、観客に五感で楽しめる没入体験を届けられます。

Stage TraxxにはmacOS版とiOS版(iPhone/iPad)があります。このレシピではiOS版を取り上げます。ただし、macOS版のStage TraxxをVisiboxと同じコンピューターで動かし、IAC MIDIで通信させることもできます。あるいは、Stage Traxxを別のMacで動かし、Visiboxが動いているMacやWindowsコンピューターにMIDIを送ることもできます。

必要な機材:

  1. Stage Traxx 3をインストールしたiPad: オーディオ再生のメイン機材です。セットリスト全体の管理も担います。
  2. VisiboxをインストールしたMacまたはWindowsコンピューター: 映像コンテンツのライブラリになります。
  3. オーディオインターフェース(オプション): セットアップによっては、iPadをサウンドシステムに接続するのに使います。
  4. USB-CケーブルまたはEthernetケーブル(オプション): iPadとコンピューターの接続に使います。
  5. USB-Cマルチポートハブ(オプション): iPadを電源、オーディオインターフェース、コンピューターに同時に接続できます。ステレオのオーディオ出力を内蔵したハブや、Ethernetポートを備えたハブもあります。
  6. サウンドシステム: 観客にパフォーマンスを聴かせるためのものです。
  7. ビデオプロジェクター/スクリーンまたはモニター: Visiboxの映像を表示します。

接続:

  1. iPadをコンピューターに接続する: どちらの機器にもUSB-Cポートがあれば、USB-Cケーブルでつなぐだけです。ステージからPA卓までのように距離がかなり長い場合は、両端にUSB-C–Ethernetアダプター(またはハブ)を付けてEthernetケーブルを使う方法もあります。Wi-Fi経由のMIDIやBluetooth経由のMIDIでiPadとコンピューターを接続することもできます。ただし、ライブパフォーマンスの現場、特に初めての会場では、ワイヤレス接続は安定性に欠けることがあります。
  2. 接続を設定する: Visiboxが動いているMacにUSBケーブルでiPadを接続した場合は、「Audio MIDI設定」ユーティリティを開き、「オーディオ装置」ウィンドウでiPadの下にある「有効にする」ボタンを押します。残念ながら、iPadを接続し直すたびにこの操作が必要になることがあります。これでInter-Device Audio and MIDI(IDAM)が有効になり、iPadがVisiboxのMIDI入力として表示されるはずです。Bluetooth MIDIやネットワークMIDI(Wi-FiまたはEthernet)の接続設定も「Audio MIDI設定」で行えます。
  3. オーディオと映像の出力を設定する: iPadをサウンドシステムに、コンピューターをビデオプロジェクター/スクリーンに接続します。オーディオと映像の両方が正しく動作し、同期していることを確認してください。
  4. ライブパフォーマンス: 本番中は、いつもどおりStage Traxx 3を操作します。トラックに埋め込んだMIDIキューがVisiboxの映像をトリガーし、音と映像がシンクロした体験を生み出します。

Visiboxの設定:

  • 映像を準備する: レパートリーの曲ごとにVisiboxの曲を作成します。1つの曲には、音楽のセクションに合わせてトリガーされる、ループ可能な複数のクリップを入れることができます。あるいは、曲の間ずっと再生される動画や画像のクリップを1つだけ入れることもできます。関連する映像素材(動画、画像など)をすべてVisiboxに読み込みましょう。ノートパソコンの内蔵Webカメラや接続したUSBカメラを使って、カメラクリップを作ることもできます。
  • 曲を並べる: Stage Traxxのセットリストはステージ上のセットリストと同じ並びになりますが、VisiboxのプロジェクトはMIDIメッセージでコントロールします。各曲はMIDIプログラムチェンジメッセージで選択でき、その曲のクリップはMIDIノートオンメッセージでトリガーできます。Stage Traxxから特定のプログラムチェンジメッセージを送るので、2つのアプリを連携させたあとは、Visibox内の曲の順番を変えないでください。
  • MIDI入出力の設定: ノートパソコンとiPadを接続すると、VisiboxのMIDI入力サブメニューにiPadが表示されるはずです。MIDI入力サブメニューでiPadが選択されていることを確認してください。MIDI出力サブメニューでは選択されていないことを確認してください。
  • MIDIマッピング: Visiboxのデフォルトのマッピングで十分な場合もあるので、この手順は今は飛ばしてもかまいません。MIDIマッピングはVisiboxの「MIDIマップ」ウィンドウで行います。Stage Traxx 3から送られるMIDIキューをVisiboxが受け取り、対応する映像をトリガーするように設定します。プログラムチェンジ001を送るとVisiboxの曲1が、プログラムチェンジ012を送ると曲12が有効になります。クリップのトリガー用のデフォルトのMIDIノートは次のとおりです。
    • クリップ1を再生:MIDIノート60(C3)
    • クリップ2を再生:MIDIノート61(C#3)
    • クリップ3を再生:MIDIノート62(D3)
    • クリップ4を再生:MIDIノート63(D#3)
    • クリップ5を再生:MIDIノート64(E3)
    • 以下同様
    • 停止:MIDIノート48(C2)

Stage Traxx 3の設定:

  • トラックを準備する: バッキングトラックをすべてStage Traxx 3に読み込みます。パフォーマンスに合わせてセットリストに整理しましょう。

  • MIDIの設定: Stage Traxxの各曲から、少なくとも2つのMIDIメッセージをVisiboxに送る必要があります。1つ目で曲を選択し、2つ目(以降)でどのクリップをどのタイミングで再生するかを指定します。Stage Traxxは、曲の歌詞に特別なコードを埋め込むことでMIDIメッセージを送信します。曲の開始時、停止時、または特定のタイムコードで送るメッセージを埋め込めます。まず、Visiboxの曲19を選択するコードを送ります。なお、ほとんどのMIDIハードウェアと違い、Stage Traxxは0始まりのプログラムチェンジの値をそのまま送ります。つまり、PC0で曲1、PC1で曲2が選択されます。曲を選択したら、再生中のさまざまなタイミングでクリップ1、2、3をトリガーできます。ある曲のStage Traxxの歌詞は、たとえば次のようになります(MIDIメッセージは角かっこ内)。

    [midi: PC19@1]
    [midi@play: N60.127@1]
    [midi@00:47.10: N61.127@1]
    [midi@01:23.5: N62.127@1]
    [midi@02:44.75: N63.127@1]
    [midi@stop: N48.127@1]

    これは次のような意味です。

    • Stage Traxxでこの曲を選択したら、MIDIチャンネル1でプログラムチェンジ19を送り、Visiboxの曲19を選択します。
    • Stage Traxxで「スタート」を押したら、MIDIチャンネル1でノートオン60を最大ベロシティ(127)で送り、Visiboxの曲の最初のクリップをトリガーします。
    • 再生開始から47.1秒で、クリップ2をトリガーします(チャンネル1、ノート61、最大ベロシティ)。
    • 1分23.5秒で、クリップ3をトリガーします。
    • 2分44.75秒で、クリップ4をトリガーします。
    • 再生を停止したら、ノートオン48を送り、Visiboxに映像の再生をすべて停止させます。

ヒント:

  • MIDIの問題をデバッグする: MIDIメッセージがうまく動かない場合は、優秀な(しかも無料の)MIDI ViewのようなMIDIモニターアプリを使えば、Stage Traxxから送られ、Visiboxが受け取っているメッセージを確認できます。MIDIメッセージのトラブルシューティングに役立ちます。
  • 本番と同じセットアップでリハーサルする: スムーズなパフォーマンスのために、機材一式を使って練習し、連携に慣れておきましょう。
  • バックアッププランを用意する: 技術的なトラブルに備えて、オーディオと映像の両方にバックアッププランを用意しておきましょう。
  • Visiboxの曲を並べ替えない: 曲を移動すると、その曲に割り当てられたプログラムチェンジメッセージが変わり、プロジェクト内のほかの曲のメッセージも変わる可能性があります。Stage TraxxでMIDIコマンドを設定したら、Visiboxの曲を並べ替えないよう注意してください。Visiboxの「元に戻す」コマンドに加えて、曲のタイトルに曲番号を入れておく(例:「1. My First Song」)のもおすすめです。誤って移動してしまっても、どの曲の順番がずれたかすぐにわかります。

このレシピでは、ライブパフォーマンスでStage Traxx 3とVisiboxを連携させるための基本的な枠組みを紹介しました。具体的な内容は、技術的なセットアップやクリエイティブのニーズによって変わります。