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レシピ:Visiboxで挑むソロのヒップホップライブ

レシピ:Visiboxで挑むソロのヒップホップライブ

はじめに

自分の部屋でビートを組んでトラックを作るのと、それをライブでどう演奏するかを考えるのは、まったく別の話です。Visiboxはオーディオビジュアルのパフォーマンス環境で、ライブ中に動画、画像、カメラ、オーディオファイルをコントロールし、同期させられます。ビートやバッキングトラックのプレーヤーとして使えますが、ライブに映像という次元を加えることもできます。このガイドでは、ソロのヒップホップライブにVisiboxで映像を加える方法を紹介します。

Visiboxの使い方はいろいろありますが、ここでは始めやすい方法を1つだけ紹介します。これを出発点に、自分のアイデアを試していってください。

必要なもの

  • macOSまたはWindowsが動くコンピューター
  • ビデオプロジェクターまたはモニター
  • MIDIコントローラー(任意)
  • Visibox

前提

  • 一緒に演奏するバッキングトラックやビートがすでにある。
  • ライブの映像として使いたい動画素材、画像、アニメーション、または完成したミュージックビデオがある。

ステップ1:Visiboxのプロジェクトを準備する

まずはVisiboxで新しいプロジェクトを作ります。複数の曲を追加でき、曲ごとにメディアファイルをまとめられます。Visiboxはセットリストのような構成になっていて、ステージ上の離れた位置からでも見やすい大きめのインターフェースです。プロジェクトに曲を追加したら、オーディオ、動画、画像のファイルをドラッグして入れましょう。

曲ごとに、次の方法から選べます。

  1. 音声付きの動画ファイルを1つ追加する:プリプロダクションの段階で、インストのミュージックビデオを作っておきます。インストのトラックを使い慣れた動画編集ソフトに読み込み、映像を組み立てます。書き出した動画をVisiboxの曲にドラッグすれば、Visiboxが音声と映像を一緒に再生します。これでバッキングトラックではなく、バッキングビデオができあがります。曲ごとのバーチャルな空間です。シーン、アニメーション、あるいはただかっこいい映像の雰囲気など、動画には何を入れてもかまいません。その気になれば、バーチャルダンサーやバーチャルバンドを入れることだってできます。
  2. 曲にオーディオファイルを追加する:オーディオファイルをVisiboxの曲にドラッグすると、その曲に「紐づけ」られます。そこにループ動画を1つ、または複数の動画や画像を追加し、コンピューターのキーボードやMIDI機器でトリガーします。曲の中のクリップを再生すると、オーディオも一緒に再生されます。バッキングトラックを流しながら、映像は手動でトリガーしたいときに便利です。
  3. 外部オーディオ:DAWやハードウェアプレーヤーでビートやバッキングトラックを再生しているなら、MIDIでVisiboxをトリガーし、音楽と同期して映像を再生できます。Stage Traxxでのやり方を紹介したレシピもあります。

これらの方法は自由に組み合わせられます。セットリスト全体をVisiboxにまとめてもいいですし、まずは数曲だけ追加して始めてもかまいません。あとからいつでも追加できます。

ステップ2:再生を設定する

Visiboxのデフォルト設定のままでもおそらくうまく動きますが、調整したくなることもあるでしょう。

  • 動画クリップのループとリトリガー - Visiboxのデフォルトでは、動画クリップはループします。でも、動画が曲の長さいっぱいに流れる場合(バッキングトラックが入っていることもあるでしょう)、次の曲を紹介しているあいだに頭から再生されるのは避けたいはずです。その場合は、クリップを1つ以上選んで右クリックします。「終了時の動作」を選び、「停止」か「次の曲の頭出し」を選びます。これで動画が終わったら止まり、必要に応じてセットリストの次の曲が頭出しされます。「リトリガー時の動作」で「何もしない」を選んでおけば、うっかり動画をもう一度トリガーしても頭から再生されません。
  • 音量レベル - 複数の動画クリップを使うなら、互いの音量バランスを調整できます。音の大きいサウンドトラックの動画と、静かなサウンドトラックの動画がある場合に便利です。バッキングトラックに対する動画の音量も調整できます。動画クリップの音量を調整するには、クリップを右クリックして「音量」を選びます。曲に紐づくオーディオの音量を調整するには、曲を右クリックして「音量」を選びます。
  • オーディオ終了時の動作 - 曲にオーディオを紐づけているなら、オーディオが終わったときの動作を設定できます。曲を右クリックして「オーディオ終了時の動作」を選びます。再生中のクリップを停止するか、次の曲を頭出しするか、次の曲を再生してそのまま盛り上がり続けるかを選べます。バッキングトラックを使っていて、音楽が終わったら映像も確実に終わらせたいときに便利です。次の曲を頭出ししておけば、次の曲を始めるときに押すボタンが1つ減ります。

ステップ3:本番のパフォーマンス

Visiboxは、MIDI機器(ペダル、パッド、キーボードなど)、Elgato Stream Deck、あるいはノートパソコンのキーボードとマウスだけでもコントロールできます。外部オーディオインターフェースを使っても、コンピューターを音響システムに直接つないでもかまいません。ステージ上からVisiboxを操作しても、客席側で別の人に操作してもらってもOKです。

映像の準備ができたら、本番の準備は完了です。Visiboxは、ほとんどのビデオプロジェクター、モニター、液晶ディスプレイ、テレビにプロジェクトを合わせられるよう設計されています。入力したコンテンツを出力フォーマットにすばやく合わせ、4:3、16:9、16:10などのアスペクト比をクロップ、拡大縮小して出力機器にフィットさせます。

  1. コンピューターを置く - コンピューターはステージ上か客席側に置きます。画面が内蔵されていて、電源が抜けてもバッテリーで動き続け再起動の必要がないので、一般的にはノートパソコンが向いています。画面が見えて操作しやすく、演奏の邪魔にならない場所に置きましょう。
  2. 映像をつなぐ - コンピューターをビデオプロジェクターや液晶ディスプレイにつなぎます。たいていはHDMIケーブル1本で済みますが、変換アダプターが必要になることもあります。プロジェクターがどこに設置されているかはわからないので、長めのケーブルを持っていきましょう。
  3. 音声をつなぐ - コンピューターを音響システムにつなぎます。たいていは3.5mmから6.3mm(1/8インチから1/4インチ)への変換アダプター1つで済みますが、ほかのアダプターが必要になることもあります。こちらも長めのケーブルを持っていきましょう!

ヒント

  • とにかくテストする:さまざまな環境でセットアップをテストしましょう。どんなビデオプロジェクターや音響システムを使うことになるかは、事前にわからないこともあります。その場で設定を調整する必要が出てくるかもしれません。
  • 予備を持っていく:できれば予備のコンピューター、ビデオプロジェクター、音響システムを持っていきましょう。無理なら、せめてメディアファイルのバックアップをUSBメモリーに入れておきましょう。いつ何がトラブルになるかはわかりません。
  • リハーサルする:映像と一緒にパフォーマンスを練習しましょう。映像に合わせて演奏を変えたり、その逆が必要になったりするかもしれません。映像をきれいに見せるために照明を調整する必要があるかもしれません。すべてをかみ合わせるために、Visiboxの設定を変えたり、動画を編集し直したりすることもあるでしょう。何を変えるべきかは、実際にやってみるまでわからないことがほとんどです。

ほかのアイデア

  • 映像のテーマを決める:セット全体の映像テーマを決めましょう。配色、アニメーションのスタイル、互いに関連する画像のセットなどです。観客にとって統一感のある映像体験になります。
  • 登場用の動画を作る:ライブのムードを作る動画で、セットの始まりを盛り上げましょう。
  • 歌詞:印象的なフック、サビ、コールのある曲なら、歌詞を画面に出す動画を作りましょう。観客を巻き込み、一緒に歌ってもらうのにうってつけです。

まとめ

音楽は自分自身の表現です。Visiboxは、それを映像でも表現するためのツールです。ソロのパフォーマーでも、奥行きがあって没入感のある、スケールの大きな映像体験を作れます。準備には少し手間がかかりますが、その価値はあります。ほかの出演者との違いを打ち出し、観客の記憶に残るライブを作る助けになります。